取組紹介

山形県内企業の脱炭素化に向けた取り組みをご紹介します。

株式会社大商金山牧場

庄内町

再エネ×農畜連携の循環の輪

以前から取り組んできた循環型農畜産業に自前の再エネを組みあわせて『自産自消』で地域に元気を還元しています。

大商金山牧場のブランド豚『米の娘ぶた』はSDGsが広く提唱される以前から、持続可能な循環型農畜産で飼育してきました。地元農家から仕入れたお米で豚を肥育し、家畜糞尿や食品工場の残渣を中心に、自社バイオガス発電所でメタンガス発生原料として活用し、発電電力を自社で使用してきました。

加えて2021年に操業開始した大商風力発電所からの再エネ電力(CO2フリー電力)を、山形県内の全ての自社施設へ供給する取り組みを2023年より開始しました。

これにより、通常の電力使用時に比べ年間で約2,000tのCO2を削減できることになります。(※令和4年度使用電力量実績および令和3年度排出係数より算出)

(取組みに関するお問合せは、株式会社やまがた新電力・電話023-627-3210まで)

地域循環の仕組み

大商風力発電所

鶴岡市役所

鶴岡市

ゼロカーボンシティ実現に向けて

2021年4月に『ゼロカーボンシティ宣言』を行った鶴岡市では、同月より稼働を開始した新しい鶴岡市ごみ焼却施設「つるおかエコファイア」でごみ焼却により発生する熱を利用して発電を行っており、施設内で電力を利用するほか、余剰電力は売電し、「非化石価値」を付加し「CO2フリー電力」として小中学校など市内の公共施設に供給する「電力の地産地消」に取り組んでいます。この取組みでは、1年間で約2,580tのCO2排出を削減できます。(令和4年度電力使用実績より算出)

また、リサイクルプラザ「くるりん館」での環境教育に関連したイベント開催や『環境フェアつるおか』等の開催などにより、市民の環境問題への関心醸成に取り組んでいます。

(取組みに関するお問合せは、株式会社やまがた新電力・電話023-627-3210まで)

鶴岡市ごみ焼却施設「つるおかエコファイア」

株式会社原田瓦工業・株式会社秋葉アトリエ

酒田市・山形市

使用済み瓦のリサイクル活用

株式会社原田瓦工業は、2004年に自社内に使用済み瓦のリサイクルセンターを構築し、瓦リサイクル製品の開発を開始しました。使用済み瓦を破砕して固めた「シャモットブロック」は山形県リサイクル認定製品になっております。

株式会社秋葉アトリエは、瓦リサイクル製品の企画・デザインを株式会社原田瓦工業と連携しながら行い、瓦粉末からさらに微細粉末(瓦パウダー)を取り出し建物の外壁、内壁またインテリアの一部として活用するアイデアに挑戦し「瓦壁」として実用化に成功しました。

使用済み瓦のほとんどが埋立処分となっている現状を改善し、有価の資材として創出することにより、廃棄物の削減に寄与しています。

プラントシャモット:廃瓦リサイクル

出羽園:瓦壁(廃瓦+樹脂)吹付仕上げ

株式会社丸定

米沢市

循環型事業活動を通じたSDGsと地域との共生へ繋げる取り組み

段ボール製造加工事業での製品はほぼ100%リサイクル可能な包装材であり、その古紙回収率は95%以上になります。また、プラスチック段ボール商品で、単一素材のものは100%リサイクル可能であり、廃材は減溶機でインゴット化しリサイクル活用されております。

本社工場の蛍光灯を段階的にLEDに更新し、デマンド監視の実施など省エネ活動にも取り組んでおります。また、工場周辺の除草作業の実施や、地元秋祭りにて、「段ボールベッド&段ボール模型工作」を出展しました。その他、米沢市が推進している米沢品質向上運動に登録し、活動に参画しております。

自然災害が増えている昨今において、避難時用の体にやさしい段ボールベッドを開発。

天板は段ボール、脚は紙管で作成したALL紙製の物流パレット。プラスチックパレットに比べて、廃棄時のCO2排出量を削減できます。

株式会社伊藤製作所

山形市

サステナブルな生産工場の実現~カーボンニュートラルへの第一歩~

2017年、山形市みはらしの丘へ工場を全面移転し、生産効率を最大限に高めたことで、生産活動におけるCO2排出を約20%削減しました。また、2021年に自家消費型太陽光発電設備を導入し、工場で消費される電力の最大50%を賄っております。2022年に加工設備全台にオイルミストコレクターを導入し、工場内の働く環境を改善することで過剰な換気を減らし、空調機の使用時間、使用台数の大幅な削減につながりました。また、工場内には電気使用量やCO2換算量の可視化装置があり、一人一人が取り組める省エネ活動にも力を入れております。

自家消費型太陽光発電設備の導入

花王株式会社酒田工場

酒田市

「豊かな共生世界」の実現を目指して

1887年創業以来、人々の暮らしに寄り添うことで豊かな生活文化の実現を目指してきました。2017年から「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」をスローガンに掲げ、持続可能な社会に必要な3つの要素「ESG(環境・Environment、社会・Social、企業統治・Governance)」を経営の根幹に据え、「グローバルで存在感のある会社」を目指しています。酒田工場は、1940年に国内2番目の工場として操業を開始し、サステナビリティに貢献するために、廃棄物削減や温室効果ガス排出量削減等の活動に取り組み、2021年に、グループ最大規模の2.8MWの自家消費型太陽光発電設備の運用を開始しました。また、環境保全活動として、やまがた絆の森「花王の森おおはま」の活動や地域の清掃活動などに取り組んでおります。

工場見学入り口にモニターを設置

やまがた絆の森活動

水澤化学工業株式会社水沢工場

鶴岡市

地域に密着した活性白土事業活動、社会発展と環境保全に貢献する製品の提供

1937年創業以来、天然粘土(酸性白土)を原料とした活性白土を中心に、事業を継続しております。酸性白土の産地である山形県鶴岡市に工場を構え、開発のために伐採した樹木は再生利用し、開発が終了した土地は緑地化しております。
この活性白土は、吸着性能を利用し主に食油精製用途に、また触媒機能を利用して石油精製用途でも使用されています。活性白土は、酸性白土を酸処理して得られますが、生じた排酸は浄水剤として再生して水質汚濁の低減に役立て、同様に生産工程で発生する副生成物は土壌改良材として再生利用し、廃棄物を出さない技術を確立しています。

1964年頃から、塩化ビニル用安定剤(複合安定剤)の本格的な製造を開始し、以来、加工性、耐久性などの付加価値を高めた新製品を開発・販売してきました。 また、酸性白土を原料としたダイオキシン除去剤や家畜の飼料に含まれるカビ毒吸着剤などの環境汚染・有害物質の吸着剤開発に成功しており、大気汚染防止や食品の安全などに貢献しています。

酸性白土を原料とした活性白土の生産

その他、土壌改良剤、ダイオキシン吸着剤など酸性白土製品を生産

株式会社メカニック

酒田市

水田営農型太陽光発電事業を通したSDGsの取組み

令和3年5月、庄内初の営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)「ひらた石橋ソーラーファーム」の運転を開始しました。地球温暖化による環境変化、中山間地域の人口減少の緩和、食料自給率の維持と改善の3点に取組んでいます。

固定価格買取制度の売電益は、地域に還元することを目的とし、災害時に活用できる非常用コンセントを備えた街路灯を設置しました。また、見学の受入れやSDGsセミナーを開催するなど、啓蒙活動を行っています。

令和3年4月から「再エネ100宣言RE Action」に参加し、再エネ率100%を達成しています。

ひらた石橋ソーラーファーム「ソーラーシェアリング」

R4.5.7 ひらた石橋ソーラーファーム
児童養護施設の皆さんと行った田植え

日本地下水開発株式会社

山形市

地下水を利用した冷暖房システムで『ZEB』達成

100%の『ZEB』を達成する高効率帯水層蓄熱システムを導入した建物が完成した。高効率帯水層蓄熱システムは、地下水の熱エネルギーを地下に広がる帯水層に蓄熱して、冷暖房・融雪・給湯を効率的に行う技術である。冷暖房では、夏の冷房排熱(温熱)を暖房熱源に、冬の暖房排熱(冷熱)を冷房熱源に利用する。路面に埋設された融雪に使われる放熱管に地下水を通すことで、冷温熱を増強するのがこのシステムの特徴だ。再生可能な熱エネルギーである地下水を利用し、ランニングコスト・CO2排出量を夏期冷房では64%削減、冬期暖房では58%削減することができる。

『ZEB』完成後、県内各地から見学者を受け入れ、地下水を有効利用した本システムの環境性、省エネ性能、雪国での有効性を説明する機会が増えた。今後加速する脱炭素の流れに乗り、高効率帯水層蓄熱システムの導入を促進し、2050カーボンニュートラルの実現に向け研究開発を続けたい。